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<![CDATA[樹木と語る]]> http://tree.tenqoo.com/blog/ ja 60 Chicappa! Blog 桜の古木 http://tree.tenqoo.com/blog/?eid=20 桜の寿命は短い… 桜全景アップ1.jpg いま桜の花を愛でる酔客が、全国に溢れかえっています。 その桜の代名詞とも言えるソメイヨシノの寿命が 短いことはよく知られています。 その寿命は80年、いや100年は生きる、 などと言われています。 しかし、それにしても短い。 『ソメイヨシノは例えばヤマザクラなどと比べ、 毎年つける花の量が多いため、 寿命が短いのかな…』 それが私がヨシノの無い北海道から出てきて、 あの凄まじい花のつき方をするヨシノを見ての感想でした。 しかし、他の種類の桜の寿命はそんなに短くないのです。 例えば、全国各地で桜の古木・大木、といえば、 『エドヒガン』ですが、 彼らは軽く400年以上は生きているようです. 三春の滝桜.jpg 桜のように陽樹といわれるものたちは、 陰樹よりも寿命は短いものですが、 それでも400年や500年は生きるものです。 ソメイヨシノの寿命が短いのは、どうも、 拒絶反応にあるように思われます。 エドヒガンやヤマザクラなどは、 桜の種類であって、園芸品種ではありません。 つまり、から生まれ、育っているのです。 しかし、ソメイヨシノは接ぎ木で殖やされます。 台木として、オオシマザクラやヤマザクラの実生苗を使います。 人間ならば、たとえば心臓を移植した場合、 必ず拒絶反応が起きます。 動物の場合、体内に異物が入ってきたときには、 それを排除する反応が素早く出ます。 しかし、植物の場合は、頻繁に接ぎ木がされているのを 見てもわかるように、そのような激しい反応は見られません。 とは言え、種類のより遠いものと(例えば科が違うなど) 接ぎ木されてば、結合しません。 近縁であるほど、接ぎ木の成功率が高いことが知られています。 (これを接ぎ木親和力が高いという) ということは、植物にも拒絶反応があるのです。 逆に言えば、いくら接ぎ木親和力が高い場合でも、 やはり拒絶反応は有る、ということが言えます。 ソメイヨシノは全てクローンです。 つまり、何千、何万と植えられているソメイヨシノはすべて、 ひとつの個体と言うことも出来ます。 そして彼らは人間による人工的な世代交代、 つまり接ぎ木でしか子孫を残せません。 (子孫ではなく、ひとつの個体が生き続けているだけですが) そのため、ある程度、老木になってくると、 台木との間で拒絶反応が出てくるのではないか。 と、私は思っています。 余談ですが、 では、空中取り木などで、 自分の根を出したソメイヨシノの寿命はどうなんだろうか? というのが、私の年来の興味です。 誰か試してくれないかな・・・ このように、面白そうな研究のネタがイロイロあるのですが、 どこかの大学でぜひ実験して欲しいものです。 「樹木と語る」トップーページへ ]]> Sat, 05 Apr 2008 21:42:02 +0900 http://tree.tenqoo.com/blog/?eid=20 一周年 http://tree.tenqoo.com/blog/?eid=19 早いもので、去年に始めたこのサイトも、 今年も桜の季節を迎えました。 丁度、一周年になります。 町中のコブシが咲いて、一週間もすると ソメイヨシノの開花となります。 東京はこのところの暖かさで満開になりました。 街は今、ギンヨウアカシヤやユキヤナギ、ジンチョウゲなどなど 春を待っていた花々が一斉に目を覚ましています。 長い冬の間に、その硬いつぼみの中でゆっくりと成長し、 この時期に一気に花開く様は、 その長い冬を想うと胸に迫るものがあります。 桜の花見といえば、 各地の花見の名所には土手(堤防)が多いのは ご存知でしょうか? 土手の両側に桜が植えてあって、 その土手の上の道を歩くと まるで桜のトンネルのようになっています。 元は、花見客に土手を踏ませて、固める為だったとか。 近代では河川に木があると、 洪水の時に流木となり橋梁を傷めたりするためか、 河川内に木が生えているのを 喜ばない傾向があった建設省も、 最近は自然と組み合わせた河川改修を 行うことも多いようです。 しかし、この『土手の土を固める』という行為は、 まさに『根の踏圧』そのものですから、 樹木にとっては有り難い話では無いのですね。 何はともあれ、 この一年、このサイト、特に『樹木医学概論』は ほとんど本一冊の内容を一から作ることになったので、 結構大変でした。 しかし、『ビジュアル資料と連動した本』 というコンセプトですので、 春を待つ桜のように、 今後も地道に、どんどん追加・改良を していきたいと思います。 「樹木と語る」も記事の更新が進みましたので、 ぜひ!ご覧下さい。 「樹木と語る」トップページ ]]> Fri, 28 Mar 2008 14:39:23 +0900 http://tree.tenqoo.com/blog/?eid=19 http://tree.tenqoo.com/blog/?eid=18 今ごろの時刻は 春を一番感じる時間帯です。 先日は春一番が吹きましたが、 その返す刀で凄まじいほどの北風が吹きました。 三寒四温にも「ほど」があるっていう感じですね。 そんな季節の夕方5時過ぎ。 空は少しだけ赤味をさしていて、 地平線にはきれいなグラデーションが出来ています。 そんな透き通った空気を見ると、 それはやはり冬の空気なのですが、 まだ明るいというだけで少し、幸せな気分になるものです。 もう三月ですね。 樹木たちは着々と春の準備をしていますよ。 桜の枝を見て下さい。 花芽が少しずつ膨らんできています。 もしかして、花が咲いていないとどれが桜なのかがわからない、 と言うかもしれませんね・・・ 残念でした! 私はこんな季節に 春のひと時にしかその存在を誇示しない桜たちの ひっそりとした冬姿を眺めていると、 彼らの咲き誇る季節のその時の 総身を震わせるような健気な咲かせぶりを想って 少し幸せな気分になるのでした。 サクラの木2高遠.jpg 樹木と語る」トップページ]]> Sat, 01 Mar 2008 19:52:40 +0900 http://tree.tenqoo.com/blog/?eid=18 紅葉のちょっと違う楽しみ方とは?~その3~ http://tree.tenqoo.com/blog/?eid=17 さてさて、大変に遅くなりましたが、 『樹種によって紅葉の仕方が違う』 という話の結果発表です。 まずカエデ類について。 写真(モミジ外側)を見て下さい。 momiji-sotogawa.jpg 樹木全体が真赤に紅葉しているように見えます。 しかし写真(モミジ内側)を見て下さい。 momiji-utigawa.jpg まだ青々としています。 しかしこれは同じモミジです。 別な品種で小さめのもの(モミジ全体)を 見て頂くとわかるように、 momiji-zentai.jpg モミジでは日に当たる、外側から順に紅葉していくようです。 公園などでいろいろな品種を観察してみましたが、 私の見た範囲内では、品種による紅葉の仕方に 違いは見られませんでした。 写真(モミジ徒長枝)を見て下さい。 momiji-totousi.jpg 紅葉した葉はまだまだしっかりとついていますが、 徒長した枝についた葉はすっかり落葉してしまっています。 次にケヤキについて。 写真(ケヤキ紅葉)を見て下さい。 keyaki-kouyou.jpg 樹木全体がまんべんなく黄葉しているのが分かります。 次に写真(ケヤキ徒長枝)を見て下さい。 keyaki-toyousi.jpg 全体にまだまだ黄葉した葉がついていますが、 徒長した枝の葉はすっかり落ちてしまっています。 次にサクラについて。 写真(サクラ紅葉1)を見て下さい。 sakura-kouyou1.jpg 全体にまんべんなく紅葉しています。 しかしよく見ると、確かに紅葉する部位は 全体にまんべんなくなのですが、 一枚一枚の隣り合う葉によって、紅葉の進み具合が 全く違います。 サクラはまず黄葉してから紅葉し、落葉しますが、 黄葉を始めるのが早い葉ほど落葉も早いようです。 樹冠全体に「まんべんなくバラバラに」黄葉していくので、 まるで歯抜けのように、徐々に樹冠がスカスカになっていきます。 この写真では樹冠の上部に葉がたくさん残っていますが、 この場合は、 もともと日当たりのよい部位ですので、 もともとの葉の数が多いため、 残っているということです。 写真(サクラ徒長枝)を見て下さい。 sakura-totyousi.jpg モミジやケヤキの場合と同じで、 徒長した枝から落葉しています。 写真(サクラ紅葉2)を見て下さい。 sakura-kouyou2.jpg このように徒長していないものでは、 梢端部に葉が残るケースもあります。 以上まとめると、 葉が落ちる順番は、 ①弱った葉 (虫、病気、成長の悪い枝の葉)  →かなり早い段階で落ちます。 ②徒長枝の葉 ③比較的元気は枝の葉 「樹木と語る」トップページ ]]> Sun, 10 Feb 2008 00:21:56 +0900 http://tree.tenqoo.com/blog/?eid=17 紅葉のちょっと違う楽しみ方とは?~その2~ http://tree.tenqoo.com/blog/?eid=16 前回の続きです。 (ここからご覧の方は前回の記事もご参照下さい) 次のご質問、 「もみじ狩り」のもっと他の楽しみ方がないか? 私は、大学の演習林が 島根県石見地方、匹見町の匹見渓谷にあったので、 何度もその森に入っていますが、 その際に 「地下足袋」 を履いて、山に入ったものです。 これがもうヤミツキ。 「本当の森」の林床はそれはもうフカフカの絨毯で、 ほとんど素足感覚の地下足袋を履いてあるくと、 いままで経験したことのない快感に包まれます。 それ以来、いったい何人に地下足袋をプレゼントしたことでしょう… 大学での「匹見の地域振興をレポート提出しろ」という課題に、 「地下足袋レンタル」 を提案したのは、しょうがないことです(笑 (教授にはかなりウケました) 最近は、エセのエコロジストが増えているように感じます。 でも、一度でも地下足袋を履いて、 匹見のような森を歩いたならば、 今後は私が「エコロジスト」と認定することにします(笑 秋の森は、キノコのハンドブックを手に、 地下足袋で歩き回る というのがオススメです。 注:地下足袋で砂利道を歩くと、   足つぼにはいいですが、   オススメしません。 。touhokunokouyou1-web.jpg 「樹木と語る」トップページ ]]> Sat, 03 Nov 2007 08:29:22 +0900 http://tree.tenqoo.com/blog/?eid=16 紅葉のちょっと違う楽しみ方とは?ーその1 http://tree.tenqoo.com/blog/?eid=15 北の山々より、徐々に平地でも 紅葉の季節がやってまいりました。 そんな折、 ひらりんさまより 「樹木と語る」のサイト内で案内している 「樹木に関する質問はコチラ」へ、ご質問を頂きました。 ご回答、大変遅くなってしまい申し訳ありません… ご本人様の許可を頂きましたので、 ここでご紹介がてら回答差し上げたいと思います。 【 質問内容 】 コラムで「黄葉の季節」を読み、 紅葉に関することをもっと教えていただきたいと思い、 質問いたします。 日本のモミジ(カエデ)でポピュラーな、 イロハモミジやオオモミジも、 色づき方や色づく順番に違いがあるでしょうか。 教えてください。 余談ですが、 現在「もみじ狩り」の楽しみ方について調べています。 「もみじ狩り」とは言うものの、 紅葉した木々を眺めながら歩くだけというのが実情だと思います。 せっかく木に触れる機会、もっと楽しむために何かできないか、 また、この機会に木のことについて考えてみたいと思います。 樹木医という立場で、楽しいコラムをお書きになっているので、 何かアイディアがあれば教えていただきたいと思っています。 よろしくお願いします。 回答: 最初のご質問、モミジなど品種によって紅葉に違いはあるのか? とのことですが・・・ なるほど!品種ですか! 「たぶん」ですが、樹種による違いはあっても 「秋の落葉の準備としての紅葉」 という意味では、 品種ではあまり差は出ないと推察されます。 しかし、恐らく、 モミジの場合、 例えば「紅枝垂」などのように、 品種によっては早いうちから いわゆる秋の「紅葉」のようになりますよね? それゆえのご質問かと思います。 ご存じのように、 モミジの場合、品種改良によって、 春先から赤いものが多くあります。 その意味では、品種による紅葉の差は「激しい」 と言わざるを得ません。 しかしながら、本来、樹木が紅葉をするのは 落葉の準備です。 その意味では、差はあまり無いのではないか? ということが推察されます。 これを正確に証明する為には、 葉の中の葉緑素や糖分濃度などの 化学分析が必要でしょう。 すみません、 機材がありません(笑 どこかの研究室に頼んでみましょうか… では、代替案として、 「色づき方の順番に差があるのか」 という点に注目したいと思います。 なぜなら、私の観察によるとどうも、 どの樹種においても、 「色づく順番に落葉する」 ように見受けられる。 つまり、 色づく順番=落葉の順番 と言えるのではないか と思っています。 そこで、この秋はモミジに限らず、 いろいろな樹種の落葉を観察し、 その都度、ご報告していきたいな と思います。 是非とも皆さんも観察してみて下さい!! そして、私にご一報を。 今ですと、桜が観察のしどきですよ!! ちなみに近所で少し観察してみました。 各写真をクリックするともう少し大きくなります。 : 全体的にパラパラと葉が赤~黄色になっていく。 kouyu1-sakuranokiyou1.jpg 桜の黄葉01 kouyu1-sakuranokiyou2.jpg 桜の黄葉02 しかし、今回の観察では下の方から落葉しているような 個体が多く見られました。 kouyu1-sakuranorakuyou1.jpg kouyu1-sakuranorakuyou2.jpg 桜の落葉01,02 ドウダンツツジ: 日当たりのよいところにいる ドウダンツツジの赤色は 誠に素晴らしい。 kouyu1-doudantutuji.jpg ドウダンツツジの紅葉 モミジ: まだ紅葉には早いが、 割と日のあたる部分が うっすらと色づいてきている。 kouyou1-momiji1.jpg モミジの紅葉01 今後も観察を続けていきます。 回答の続きは次回で! 樹木と語る」トップページ ]]> Thu, 01 Nov 2007 19:30:19 +0900 http://tree.tenqoo.com/blog/?eid=15 金木犀 http://tree.tenqoo.com/blog/?eid=14 東京の街は今、キンモクセイの香りに満たされています。 そこで今日はキンモクセイの話。 kinmokusei-web.jpg モクセイの仲間はその昔、 中国から連れて来られました。 金木犀の仲間で銀木犀という、 白い花をつけるものもいますが、 あまり見かけませんよね。 でも現地では、白い花の方が大半とのこと。 それは柊木犀その他の木犀の仲間は みんな白い花であることからも納得いくかと思います。 また、日本に生きている金木犀はほとんどが雄です。 話によると、雌木は日本に一本しか生えてないとか。 雌木が匂わないとかの理由でもあるんでしょうか? そんなわけで、日本に数多く見られる金木犀ですが、 大半が挿し木で繁殖されています。 つまりほとんどがクローンかと思われます。 (遺伝子の調査がどうなっているのかは知りませんが) ただ、私の見立てでは、金木犀は明らかに 種で繁殖した方が、良い苗が出きるはずです。 今思ったのですが、もしかすると金木犀はただの   枝変わり(枝だけの突然変異) で、実生だと金色にならないのかもしれませんね。 樹木と語る」トップページ ]]> Wed, 17 Oct 2007 01:17:59 +0900 http://tree.tenqoo.com/blog/?eid=14 黄葉の季節 http://tree.tenqoo.com/blog/?eid=13 降りしきる雨の冷たさに 秋の深まりを感じる季節となってまいりました。 ちらほらと街路樹も黄葉を始めています。 今日はそんな黄葉のちょっと変わった話。 まずいきなり、みなさんに質問です。 葉はどんな順番で黄葉しますか? ... ...... ......... 正解は、樹種によって違う でした(笑) なんだそりゃ と思うかもしれませんが、 たとえばケヤキなら上から順に黄葉しますし、 サクラなら全体的に満遍なく黄葉します。 そして、黄葉する順番に、落葉します。 また、弱っている枝と元気の良い枝でも差がでます。 葉が出るときも同様に差がでます。 ぜひみなさんも今秋は そのあたりにも注目して見てみてください。 関連サイト樹木と語る」トップページ]]> Sun, 16 Sep 2007 23:30:03 +0900 http://tree.tenqoo.com/blog/?eid=13 幹は南側のほうが太くなる http://tree.tenqoo.com/blog/?eid=12 幹は南側のほうが太くなる』 という話を聞いたことがありますか? 『南側は日当たりがいいので成長が良く、 年輪も南側のほうが幅が広い』 とのこと。 結論から言うと、この説は 真っ赤なウソ です。 その理由の詳細はコチラに載せてありますが、             では、 なぜこんな説が出たのか?という話。 林業の世界では戦後ずっと、 広葉樹の森を切り開いて、 針葉樹(スギ、マツ、ヒノキ)を植林してきました。 つまり、林業の世界での仕事場、つまり、森林は、 針葉樹の森林です。 日本の林地は基本的に斜面です。 斜面に生えている樹木は積雪などの影響で谷向きに傾くのが普通です。   樹木の傾斜.JPG 樹木は傾いて生えていると、倒れまいとしてアテ材を発達させます。 針葉樹では傾いている側にアテ材が発達します。 そのため林業の現場で伐採した後の切り株をみると、 谷側の年輪が発達しています。針葉樹ですから。 それを見た人が考えます。 「どうしてどの木もコッチ側の年輪が広いんだろう?」 そして出した結論が、 『谷の方向は日当たりが良いから、 そっちの成長が良いんだ!!!』 どうもそれが常識として広まったようです。 本当のようなウソに気をつけましょう。 関連サイト 「樹木と語る」トップページ]]> Tue, 11 Sep 2007 00:14:23 +0900 http://tree.tenqoo.com/blog/?eid=12 夏ですね! http://tree.tenqoo.com/blog/?eid=11 光も強いし雨も多い。 だから木も元気! ・・・かと思っていると大間違い。 木も人間と同じで厚いんです。 だから夏には夏バテするんですね(笑 その辺の詳しい話は 関連サイト「樹木と語る」の「樹木診断概論・周辺環境・①周辺の遮蔽物(建物や木など)日当たりを見て頂くとして、 今、目の前に立っているその木の気持ちが知りたかったら、 春夏秋冬、照る日も雨の日も風の日も雪の降る日も、 木のそばでたたずんでみるべきです。 夏の暑い日なんかには一時間もそこにはいられない。 でも木は毎日、一日中、そこに動かずに立っているんです。 当たり前ですが(笑 でも、 暑ければ涼しいところへ、 水が欲しければ水飲み場へ行ける私たちとは、 植物は違う。 そのことはどうしても忘れがちです。 夏も終わりに近づいてきましたが、 庭に生えている木々たちも 結構暑い中で頑張っているんだな と、たまには労ってやってください。 しかし・・・ 暑いですねぇ~ [「樹木と語る」トップページ]]> Mon, 20 Aug 2007 17:38:12 +0900 http://tree.tenqoo.com/blog/?eid=11 樹木と草の生き方の違い http://tree.tenqoo.com/blog/?eid=10 木本よりも草本の方が後から登場したらしいのですが、 背の低いものたちが後から登場し、 繁栄していったというのが面白い。 特に最も『草らしい』、 一年で枯れてしまうもの(一年生草本)は、 毎年毎年、一から芽を出し、背を伸ばし、 葉を広げ、秋には枯れる。 植物は移動できませんが、 種を飛ばせば、『種としては』 移動したことと同じ意味になります。 つまり、急激な環境悪化・変化に、『個体として』は 死んでしまうかもしれないが、 毎年枯れることにより種としては 生き残る確率がずっと高くなる。 樹木の戦略はどうでしょうか? 樹木は草本に比べると個体が 生き残ることを主眼にしているように感じます。 環境が悪くなっても、 その巨体に蓄えたエネルギーでどうにか乗り切る。 何百年も生きながらえることによって、 何百年もその周りに子孫を撒き散らし続けることが出来る。 それは草本と同じで、種としては 移動していることと同じことです。 なお、このブログ関連サイト「樹木と語る」内、 『樹木学』概論 植物の生き方――植物進化の戦略と戦術も ぜひ、ご覧下さい。 「樹木と語る」トップページ]]> Tue, 14 Aug 2007 15:21:39 +0900 http://tree.tenqoo.com/blog/?eid=10 エンジュの花 http://tree.tenqoo.com/blog/?eid=9 夏です。 皇居の平河濠端ではエンジュ(槐)が満開となっております。 エンジュの花1.JPG 私、恥ずかしながら 今までエンジュを見たことがありませんでした。 ハリエンジュかトゲナシハリエンジュばかりで・・・ そんなわけで、このエンジュを見たとき、 ぱっと見にはなんだか花が咲いているようだ 程度にしか分からず、 よくよく見てみるとエンジュの仲間独特の葉だったので これがエンジュか・・・となったわけです。 エンジュの花2.JPG エンジュの仲間は色々な特徴があるのですが、 まず目につくのは、葉の形ですね。 奇数羽状複葉(フクヨウ)というもので、その時の通り、 奇数の葉をつけた羽のような複葉をつけます。 ちなみに、この複葉全体で一枚の葉です。 エンジュの花5.JPG 複葉の話。 一枚の葉とは、『落葉するときにどこから落ちるのか』 ということです。 そもそも普通の葉の形をしていたものが、 段々切れ込みが増え(カエデとかのように)、 進化の結果、最後には複葉になったと考えられています。 ですので今でも落葉するときには、もともとの葉の付け根から 落とすと考えるのが自然かもしれません。 なぜ複葉という戦略をとったのか、少し考えてみました。 木本よりも草本の方が後から登場したらしいのですが、 背の低いものたちが後から登場し、 繁栄していったというのが面白い。 まず複葉であることのメリットを考えてみる。 落葉している間、複葉でない種類に比べると体が小さいので、 その分、消費するエネルギーが少なくてすむ。 そもそも落葉樹が秋に落葉するのは、 冬期のエネルギー消費を抑える意味合いが大きい。 稼げるときに稼げるだけ稼いで、支出はとことん切るつめるということか。 次にデメリットを考えてみる 葉を展開するときに、より多くのエネルギーを必要とする。 おそらくは、メリットの方がより大きいということなんでしょう。 葉の話はこれ位にしておいて、次は花の話。 エンジュの花3.JPG エンジュは、マメ科です。 花を見ればわかります。 花はまさにマメそのもので、つける実もマメそのもの。 といっても巨大なソラマメみたいですが(笑) エンジュの花4.JPG ハリエンジュの仲間と比べるとエンジュの花は かなり控えめです。 花が咲いてるんだかなんだかすぐにはよく分かりません。 それに比べ、ハリエンジュの花は大きくて 自己主張が激しいですね・・・(笑 花の次はの話。 マメ科ですから、はい。 当然、根粒菌(コンリュウキン)がつくわけですよ。 属にマメ科と共生(美しい表現だ)しているとされる 根粒菌ですが、実際は共生というより 植物に取り込まれているという感じです。 根粒菌は大気の大部分を占めている窒素ガス固定します。 その窒素を肥料に使っているのがマメ科植物の特徴です。 植物に窒素肥料(尿素とか硫安とか)をやると バカみたいに伸びが良くなりますが、 マメ科は根粒菌と共生しているおかげで それこそバカみたいに元気なんですね・・・ 「樹木と語る」ホームページ ]]> Tue, 07 Aug 2007 10:08:52 +0900 http://tree.tenqoo.com/blog/?eid=9 うどん粉病 http://tree.tenqoo.com/blog/?eid=8 梅雨が近づいてきましたが、 この時期には病気や虫の害が出てくる季節でもあります。 特にこの時期に多発する 『うどん粉病』 について今日は話しましょうか。 この病気は、マサキ、サルスベリ、ハナミズキ、カエデ類などの 各種広葉樹に発生する病気で、 その名前のように、葉の表面が『うどん粉』を まぶしたようになるのが特徴の病気です。 udonko1.JPG これはマサキに発生しているうどん粉病 うどん粉の正体は白色の膜状菌体(菌糸と分生子) 分類で言えば、 糸状菌、子のう菌類、うどん粉菌科(Erysiphaceae) とのこと 発生し始めは、何か葉が白くきれいになって、 美観をさほど損ねないように思うのですが、 病気が進むと白かった部分が、茶色く汚く変わります。 最近庭木に植えられることが多いハナミズキやヤマボウシは 軒並みこの病気にやられていますよね。 夏ころにこれらの木の葉が茶色ければ、 まずこのうどん粉病が出ていると思って差支えがないくらいです。 さて、バラの栽培をしている方々も悩ませている この病気の防除なのですが、 一番大切なのは、病原を取り除くことにあります。 発生してから行うよりも数十倍も効果的ですので。 そしてその病原はどこにいるのか?ですが、 病葉や病落葉の上にいるのですね。 ですから、それらを取り除くことがまずは大切です。 しかし、マサキやカシ類は常緑なので うどん粉が大量発生すると 今ついている葉を全部取り除くようなハメになりますが、 そんなことをすれば死んでしまいます。 ですので、出来る範囲で取り除いた後は、 薬剤散布に頼らざるを得ません。 つまり落葉樹に比べると治療に時間がかかります。 もちろん常緑樹の場合でも落葉は取り除く必要があります。 物理的な除去という意味では、 発生の初期の、『粉』を ふき取ってしまうことも大切です。 udonko2.JPG 一箇所だけ『粉』を指で落としてみたところ udonko3.JPG ついでに同じ葉の裏面ですが、 見ての通り、マサキの場合には裏側までは白くなりません。 ハナミズキなどでも同じです。 次に薬剤の散布ですが、 散布の季節は二回あります。 厳寒期には『石灰硫黄合剤』を 20-30倍に希釈して樹木全体に散布します。 この薬剤は散布した部分の表面に膜を張り、 それによって生物の呼吸を止める。 それによって生物を殺すものです。 虫や菌などよりも、樹木の方が呼吸量が 少ないことを利用した防除剤ですので、 かなりあらゆる病虫害に効果的です。 ただし注意点が2点あります。 薬品自体には、例えば殺虫剤のような 人体に有害な物質は含まれていないのですが、 強いアルカリ性なので、原液の取り扱いはご注意下さい。 酸性の薬剤などと混ぜるのも厳禁です。 『混ぜるな危険』の漂白剤と同じように注意が必要です。 また、車など塗装面につくと変色させてしまいますので、 近くの車などにはシーツなどをかぶせる必要があります。 呼吸を止めるため、厳寒期以外の多少暖かい時期に 散布すると、樹木が呼吸困難で死んでしまいます。 これらに注意すればとても有効な防除になりますので ご活用ください。 梅雨前から梅雨時期にかけての今の時期には 『トップジンM水和剤』 を1500-2000倍で散布します。 これは『表面に石鹸のような膜を張り、 菌を寄せつけないためのもの』です。 注意点は、雨にあたるほど、 その膜が流れ落ちてしまいますので、 2週間おきに繰り返し散布する必要があること。 展着剤も混ぜて使うことをお勧めします。 それと、基本的には『膜をつくって寄せつけない』 ためのものですので、 今すでに発生している部分には効果が薄いということです。 早め早めの散布が大切です。 それと、濃度が濃すぎたために薬害が出ないか、 一部分で試して様子を見てから全体に散布しましょう。 毎年毎年発生してしまうこの病気は 一年や二年で樹木を枯らすことは無いにしても、 毎年の成長にはかなりの悪影響を及ぼします。 美観も著しく損ねる病気ですので、 特に冬と梅雨前からのメンテナンスを しっかりお願いします。 「樹木と語る」トップページ]]> Tue, 05 Jun 2007 23:23:25 +0900 http://tree.tenqoo.com/blog/?eid=8 エゴノキ満開 http://tree.tenqoo.com/blog/?eid=7 さて、東京ではエゴノキが咲きはじめました。 名前はあまり可愛らしくないのですが、 白いそのお花はとても可憐です。 その香りは、クチナシに少し似ているかな・・・ (クチナシほど芳香がきつくも甘くもないが) colam-egonoki1.JPG 出雲にいたころは、玉造町湯町(現松江市)の玉湯川の川辺に 割と大きいエゴが単木で生えていたのですが、 これがまた樹木全体に見事に花をつけていたものでした。 エゴノキの名前の由来は、その実がエグいからなのですが、 石鹸と似た働きを持つ成分である『サポニン』が その実に含まれているためです。 戦時中には石鹸替りに使っていたとか。 石鹸と似た、といっても、その働きは似ていますが、 構造その他は全く違います。 昔からその実などをつぶしたものを川に流し、 魚を採っていましたが、現在は法律で禁止されています。 これを魚毒(ぎょどく)といいます。 毒といっても、毒性により魚を殺すのではなく、 サポニンがエラに付着することにより 魚が呼吸困難になるため、浮かんでくるそうで。 その魚を食べても人間に影響は無いとのこと。 colam-egonoki2small.jpg その花の美しさ、香りの高さ、そして実のマズさ。 一度見つければ一生忘れない木であることウケあいます(笑 是非さがしてみてください。 もし見つかれば、その日一日ハッピーな気分になることでしょう。 「樹木と語る」トップページ ]]> Mon, 14 May 2007 21:25:04 +0900 http://tree.tenqoo.com/blog/?eid=7 光合成(こうごうせい)について―今日のご飯は、『お水』です。 http://tree.tenqoo.com/blog/?eid=6 a) 光合成とは? ここでは樹木における光合成について解説します。 光合成(コウゴウセイ、ヒカリゴウセイ)とは平たく言うと、 『植物が水と二酸化炭素から、炭水化物と酸素を作ること』です。 この時に、『光のエネルギー』を使います。 つまり、『光の力で無機物から有機物を合成する』ことから 『光合成』と言うんですね。 式にしてみると 『光合成』 (水)+(二酸化炭素)=(炭水化物)+(酸素) 植物は自分で作ったこの炭水化物を栄養にして、生きています。 ところで、二酸化炭素は大気中にはいつでもありますが、 水はいつもどこにでもあるものではありませんよね? (雨が降ったりしないと) とすると、 その水が十分にないと、 生きていくための栄養も十分に作れない ということになります。 みなさん、植物に水を遣りますよね? なんで水を遣るのか考えたことありますか? 『枯れるから』 ですよね? もちろん体が乾燥してはいけないのは人間と同じですが、 そもそも 『植物にとっては、水がご飯』なんですね。 その点が、人間が水を飲んでいることとは全く意味が違うんですね。 もう少し光合成について詳しく解説します。 光合成を化学式で示すと、 6H2O+6CO2(+光エネルギー) → C6H12O6+O2 となりますが、何が起きているのかをもう少し分かりやすく示すと、 (6H2O+6C)+ 6O2 → C6H12O6+6O2 つまり、CO2のCとH2Oをくっつけて、C6H12O6(ブドウ糖)を 作るという反応です。 もっと詳しく、カルビン回路がどうのとかいう話は、 高校生物の参考書でも読んでみて下さい。 この続きは、 「樹木と語る」内の「樹木診断概論」のページ ~光合成について~ 参照 「樹木と語る」トップページはこちら]]> Mon, 23 Apr 2007 19:00:57 +0900 http://tree.tenqoo.com/blog/?eid=6