紅葉のちょっと違う楽しみ方とは?ーその1
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総論
北の山々より、徐々に平地でも
紅葉の季節がやってまいりました。
そんな折、
ひらりんさまより
「樹木と語る」のサイト内で案内している
「樹木に関する質問はコチラ」へ、ご質問を頂きました。
ご回答、大変遅くなってしまい申し訳ありません…
ご本人様の許可を頂きましたので、
ここでご紹介がてら回答差し上げたいと思います。
【 質問内容 】
コラムで「黄葉の季節」を読み、
紅葉に関することをもっと教えていただきたいと思い、
質問いたします。
日本のモミジ(カエデ)でポピュラーな、
イロハモミジやオオモミジも、
色づき方や色づく順番に違いがあるでしょうか。
教えてください。
余談ですが、
現在「もみじ狩り」の楽しみ方について調べています。
「もみじ狩り」とは言うものの、
紅葉した木々を眺めながら歩くだけというのが実情だと思います。
せっかく木に触れる機会、もっと楽しむために何かできないか、
また、この機会に木のことについて考えてみたいと思います。
樹木医という立場で、楽しいコラムをお書きになっているので、
何かアイディアがあれば教えていただきたいと思っています。
よろしくお願いします。
回答:
最初のご質問、モミジなど品種によって紅葉に違いはあるのか?
とのことですが・・・
なるほど!品種ですか!
「たぶん」ですが、樹種による違いはあっても
「秋の落葉の準備としての紅葉」
という意味では、
品種ではあまり差は出ないと推察されます。
しかし、恐らく、
モミジの場合、
例えば「紅枝垂」などのように、
品種によっては早いうちから
いわゆる秋の「紅葉」のようになりますよね?
それゆえのご質問かと思います。
ご存じのように、
モミジの場合、品種改良によって、
春先から赤いものが多くあります。
その意味では、品種による紅葉の差は「激しい」
と言わざるを得ません。
しかしながら、本来、樹木が紅葉をするのは
落葉の準備です。
その意味では、差はあまり無いのではないか?
ということが推察されます。
これを正確に証明する為には、
葉の中の葉緑素や糖分濃度などの
化学分析が必要でしょう。
すみません、
機材がありません(笑
どこかの研究室に頼んでみましょうか…
では、代替案として、
「色づき方の順番に差があるのか」
という点に注目したいと思います。
なぜなら、私の観察によるとどうも、
どの樹種においても、
「色づく順番に落葉する」
ように見受けられる。
つまり、
色づく順番=落葉の順番
と言えるのではないか
と思っています。
そこで、この秋はモミジに限らず、
いろいろな樹種の落葉を観察し、
その都度、ご報告していきたいな
と思います。
是非とも皆さんも観察してみて下さい!!
そして、私にご一報を。
今ですと、桜が観察のしどきですよ!!
ちなみに近所で少し観察してみました。
各写真をクリックするともう少し大きくなります。
桜:
全体的にパラパラと葉が赤~黄色になっていく。
桜の黄葉01
桜の黄葉02
しかし、今回の観察では下の方から落葉しているような
個体が多く見られました。
桜の落葉01,02
ドウダンツツジ:
日当たりのよいところにいる
ドウダンツツジの赤色は
誠に素晴らしい。
ドウダンツツジの紅葉
モミジ:
まだ紅葉には早いが、
割と日のあたる部分が
うっすらと色づいてきている。
モミジの紅葉01
今後も観察を続けていきます。
回答の続きは次回で!
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