ⅲ）樹幹の腐朽の原因とシステム
幹が腐れる原因を考えてみましょう。
そもそも樹木の材が腐れる為には、かなり大きな傷口が必要で、
その傷口から腐朽菌が入る、というのが腐朽のパターンです。
そして、腐朽菌の侵入口の大半は、直接に幹ではなく、
枝や根からです。
街では、樹幹を直接傷つけるものといえば虫と人間ですが、
虫では傷跡が小さいためさほど問題にはならず、
人間も枝や根はよく傷つけますが、
幹に車をぶつける、などは稀なことです。
以上のようなわけで、
幹に腐朽が入っている場合、
まずその腐朽を起こした腐朽菌の侵入口を捜すわけですが、
その大半は、枝や根です。
そしてその侵入口を作った（傷つけた）原因は、
ほとんどが人間です。
その侵入口は、悪剪定による枝の切り口と、
道路工事などによる根切りの切り口や、
踏圧による根の枯死による傷口です。
幹の腐朽を診断することにより、
どの程度前に、どこから菌が侵入したかが推定でき、
そのとき一体何があったのかも推定できるのです。
参照項目
ⅱ）通常の肥大成長とアテ材の見分け方とその意味
ⅲ）樹幹の腐朽の原因とシステム
ⅳ）巻き込み