紅葉のちょっと違う楽しみ方とは?~その3~
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さてさて、大変に遅くなりましたが、
『樹種によって紅葉の仕方が違う』
という話の結果発表です。
まずカエデ類について。
写真(モミジ外側)を見て下さい。
樹木全体が真赤に紅葉しているように見えます。
しかし写真(モミジ内側)を見て下さい。
まだ青々としています。
しかしこれは同じモミジです。
別な品種で小さめのもの(モミジ全体)を
見て頂くとわかるように、
モミジでは日に当たる、外側から順に紅葉していくようです。
公園などでいろいろな品種を観察してみましたが、
私の見た範囲内では、品種による紅葉の仕方に
違いは見られませんでした。
写真(モミジ徒長枝)を見て下さい。
紅葉した葉はまだまだしっかりとついていますが、
徒長した枝についた葉はすっかり落葉してしまっています。
次にケヤキについて。
写真(ケヤキ紅葉)を見て下さい。
樹木全体がまんべんなく黄葉しているのが分かります。
次に写真(ケヤキ徒長枝)を見て下さい。
全体にまだまだ黄葉した葉がついていますが、
徒長した枝の葉はすっかり落ちてしまっています。
次にサクラについて。
写真(サクラ紅葉1)を見て下さい。
全体にまんべんなく紅葉しています。
しかしよく見ると、確かに紅葉する部位は
全体にまんべんなくなのですが、
一枚一枚の隣り合う葉によって、紅葉の進み具合が
全く違います。
サクラはまず黄葉してから紅葉し、落葉しますが、
黄葉を始めるのが早い葉ほど落葉も早いようです。
樹冠全体に「まんべんなくバラバラに」黄葉していくので、
まるで歯抜けのように、徐々に樹冠がスカスカになっていきます。
この写真では樹冠の上部に葉がたくさん残っていますが、
この場合は、
もともと日当たりのよい部位ですので、
もともとの葉の数が多いため、
残っているということです。
写真(サクラ徒長枝)を見て下さい。
モミジやケヤキの場合と同じで、
徒長した枝から落葉しています。
写真(サクラ紅葉2)を見て下さい。
このように徒長していないものでは、
梢端部に葉が残るケースもあります。
以上まとめると、
葉が落ちる順番は、
①弱った葉
(虫、病気、成長の悪い枝の葉)
→かなり早い段階で落ちます。
②徒長枝の葉
③比較的元気は枝の葉
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