D樹木と草の違いはなんでしょうか?------
さて、なんとなくわかっているけどもよく分からないこと。
樹木(
という話。
普通に考えると、
草はすぐに枯れるけど、木はずっと生きている
という感じでしょうか・・・
でも読んで字の通り、『
数年にわたって行きつづける草本も結構いますよね。
草は小さい。木はでかい
というのもひとつの見方ですが、
センリョウやシャクナゲなど、森の下層に生きている樹種はどれも低木です。
樹木と草本の境目は、
です。読んで字の通り、『木に化ける』こと。
ではこの木化とはどういうことでしょうか?
植物の仲間の体は、どれも『セルロース』という炭水化物がつながった繊維から出来ています。
これはそのままいわゆる『植物繊維』と呼ばれるもので、
木だろうが草だろうがこれで出来ています。
これは建築材料に例えると、『鉄筋』のようなものです。
草と木の違いは、このセルロースの繊維同士の隙間に、
『リグニン』という物質が充填されていることです。
これは建築材料に例えると、『コンクリート』の役目を果たします。
つまり、草は鉄筋のみで出来た建物で、木は『鉄筋コンクリート』の建物なのです。
物理的にも、鉄筋であるセルロースは『引っ張り』に強く、
コンクリートであるリグニンは圧縮に強い性質がありますので、
木は草に比べ、とても強い構造になっています。
このリグニンが蓄積されることを木化といいます。
リグニンは白色なのですが、
木化が始まった部位は一般的に『茶色』になってきます。
緑色だった枝を観察していると、季節が進むにつれてだんだんと茶色に変わっていく様子が見て取れます。
ちなみに私の経験では、挿し木の難易は、この木化する時期が早いか遅いかで決まります。
木化が遅い樹種の方が、挿し木が容易です。
これにより、初めてみる樹種でも、ある程度は挿し木の難易が分かります。
木化が早いということは、どうも『分化』が早いということらしく、
(分化→種の時にはどの細胞も、枝でもなく幹でもない。それらが枝や幹に『確定』していくこと)
挿し木から根が発生するためには、
枝だった組織が一度未分化の細胞(カルス)に戻る必要があり、
木化が進んでしまうと、もうカルスには戻れないようです。