⑥病虫獣害
ⅰ）病気
根も色々な病原菌に冒されます。
その代表格といえば
「ナラタケ病」
でしょう。
ナラタケ病はナラタケ菌が生きた樹木につき、
ナラタケというキノコが発生します。
ナラタケモドキというキノコもありますが、
同じ被害を受けます。
ナラタケ菌は非常に多くの植物に被害を
およぼし（多犯性）、
その被害は激烈で、大きな樹木も枯らしてしまいます。
ふつう、多犯性の病原は被害も小さいものなのですが、
彼らは例外です。
土中を年々拡がり、記録によると一つの山の全てに、
一個の個体のナラタケ菌の菌体が拡がっていたという話もあります。
キノコ類にとってのキノコは、樹木で言えば「花」で、
菌体は樹木で言えば「樹体」そのものです。
そのため、
地上で一番大きい生物は、ナラタケである。
とも言われます。
このナラタケほどでは無いにせよ、
白紋羽病や白絹病などをはじめ、
他にも多くの根の病原菌がいます。
私の体験では、苗木を生産している圃場で
白絹病が発生したことがあります。
調べてみると、この病気は、土壌が過剰に乾燥すると発生しやすいとのこと。
確かに、モグラが縦横無尽に穴を空けている状況でした。
この病に限らず、土壌の病原菌というのは、
土壌が乾燥すると活動が活発になりやすいようです。
さて、
土壌に拡がる病原菌を殺すには、
土壌消毒をするくらいしかないとされています。
しかし、もちろん、
生きた樹木の根本でそんなことをすれば、
樹木を枯らしてしまいます。
殺菌剤というものは、病原菌に直接触れないと効果が無いのですが、
菌は菌膜というものを作り、菌膜には撥水性があるので、
薬剤が染み込んでいかないのも、薬が効きにくい原因のようです。
関連項目
ⅱ）虫害
ⅲ）動物の害